展示

館内施設2F

シサㇰ イコㇿ トゥンプ
特別展示室/2F

開催終了

第2回テーマ展示「地域からみたアイヌ文化展 白老の衣服文化」

展示概要

直線と⾯が織りなす複雑な模様で表現される⾐服、アイヌ語ルウンペ。本テーマ展示では、木綿の衣服であるこのルウンペに焦点を当て、白老地方の「家系で受け継がれてきた⾐服」から「地域で受け継ぐ⾐服」への変遷について紹介します。⽩⽼の⾐服が一堂に会して展⽰されるのは、本展示がはじめてとなります。⽩⽼の⾐服⽂化に影響を与えた時代の動向を⽰すことで、⾐服の地域性が形成されていく過程が理解できる展⽰となっています。また、⽩⽼町で活躍するエカシ(おじいさん)やフッチ(おばあさん)、関連団体などにも注⽬し、地域の⽂化に関する伝承活動の現在も紹介します。

本テーマ展⽰は、アイヌ⽂化の独⾃性や多様性を地域の視点から紹介していく、当館シリーズ展示「地域からみたアイヌ⽂化展」の第1回目の企画です。

基本情報

国立アイヌ民族博物館 第2回テーマ展示「地域からみたアイヌ文化展 白老の衣服文化」

【会期】
令和4(2022)年3月15日(火)~5月15日(日)
※新型コロナウイルス感染拡大状況によっては会期を変更する場合があります。

【休館日】
月曜日(祝日または休日の場合は翌日以降の平日)
※4月29日~5月8日の期間中は毎日開館します。

【会場】
国立アイヌ民族博物館  2階 特別展示室

【主催】
国立アイヌ民族博物館

【後援】
公益社団法人北海道アイヌ協会、白老町、白老町教育委員会

【協力】
一般社団法人白老アイヌ協会、一般社団法人白老モシリ、白老民族芸能保存会、エミナの会、白老 楽しく・やさしいアイヌ語教室、チシポの会、チタㇻペ、テケカㇻペ、フッチコラチ、北海道博物館、北海道大学附属図書館、市立函館博物館、仙台藩白老元陣屋資料館

入場について

博物館のご入場には、オンラインによる日時指定(事前予約)が必要です。[予約はこちら]

  • 博物館の日時指定予約は、基本展示とテーマ展示を兼ねておりますので、一度の予約でけっこうです。
  • 再入場は当日に限り可能ですが、展示室の混雑状況により、お待ちいただく場合、もしくは再度入場予約をお取りいただく必要がある場合があります。
  • 入場予約の受付時間は、各開館日の2週間前の午前0:00から、各入場時間の受付開始時刻の30分後までとなります。

新型コロナウイルス対策:
当館では、日時指定予約制の継続、マスク常時着用や手指消毒の徹底など、(公財)日本博物館協会のガイドラインに基づく感染拡大防止の取り組みを行っています。

展示構成

1.白老コタンの衣服

北海道におけるアイヌ民族の木綿の衣服に関する古い記録は、17世紀前半に遡り、遅くともこの時期には、アイヌ文化に和人社会や大陸から入手した素材を使い衣服をつくる文化があったと考えられます。白老地方における記録については、松前奉行所調役・荒井保恵による文化6(1809)年の『東行漫筆』が知られています。白老コタン(集落)には、近世相当期から、細いテープ状の木綿の古裂を使って直線的な模様を構成した衣服、いわゆる「ルウンペ」をつくる文化が伝わっていました。明治以降になると、幅の広い木綿の布を切り抜いて縫い付ける技法を多用し、背面中央部や衣服下部に模様を構成する衣服がみられるようになりました。

上野ムイテクン製作の衣服
上野ムイテクン 製作

2.白老民俗資料館時代の衣服

昭和42(1967)年に開館した白老民俗資料館では、館内の陳列品となる展示備品としての衣服の製作と舞踊を披露するために職員が着用する衣装としての衣服の製作がおこなわれました。その過程において、それまでのコタン(集落)における家族単位の「家系で伝承された衣服」から、組織単位の「白老地方という地域性を表す衣服」へと変化してきました。ポロトコタンが開園した昭和40(1965)年代以降、舞踊の踊り手の人数を増やしたことから、衣装としての衣服が大量に必要となりました。しかし、衣服を製作する職員が少ないことや製作期間を十分に確保できなかったことなどから、直線的な模様で構成される展示備品としてつくられた衣服を参考にすることで、製作の簡素化が図られました。こうして展示備品としての衣服をモデルとし、ポロトコタンの舞踊のための衣装が製作されました。

塩田のり子製作の衣服
塩田のり子 製作

3.アイヌ民族博物館時代から現在までの衣服

白老民俗資料館からアイヌ民族博物館へと名称変更した昭和59(1984)年頃のポロトコタンでは、舞踊を披露する屋外ステージが新たに整備され、以前にも増して、多くの職員が舞踊に関わるようになりました。この頃から白老地方という地域性に配慮し、かつ一体感を演出することを目的とし、衣装をユニフォーム化した衣服がつくられるようになりました。その後、令和2(2020)年7月に、アイヌの歴史・文化を学び伝えるナショナルセンターとしてのウポポイ(民族共生象徴空間)が開園しました。白老の衣服文化は、家系や地域性を表すものとして、ルウンぺの製作技法や模様を大切にする伝承活動を行う製作者によって受け継がれてきました。現在、伝承された衣服は、着用している人のアイヌ民族としてのアイデンティティを表す重要なものになっています。

岡田育子製作の衣服
岡田育子 製作

【チラシ訂正のお知らせとお詫び】
配付しております、本テーマ展示のチラシに関しまして、一部表記に誤りがございました。
つきましては下記の通り訂正をさせて頂きます。
ご迷惑をおかけいたしましたことを、深くお詫び申し上げます。

<訂正箇所>チラシ裏面
写真キャプション
誤:白老民俗資料館での踊り(1940年代前半 白老町)
正:白老民俗資料館での踊り(1960年代後半 白老町)
開館時間
誤:4月1日(金)ー 5月15日(日)土日祝9:00~20:00
正:4月29日(金)ー 5月15日(日)土日祝9:00~20:00

関連事業

国立アイヌ民族博物館ライブラリ特設コーナー

1階ライブラリでは、第2回テーマ展示「地域からみたアイヌ文化展 白老の衣服文化」に関連した特設コーナーを設置しております。

当展示内で紹介している白老 楽しく・やさしいアイヌ語教室 の刊行物をはじめ、白老アイヌに関する図書やアイヌの衣服文化に関する図書を紹介しておりますので、展示にあわせてこちらもぜひ利用ください。

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